日本食には欠かせない大豆は豆腐、お味噌、納豆、醤油などなど、日本人には身近な食品ですよね。
タンパク質が豊富に含まれる大豆は「畑の肉」と呼ばれていて、大豆に含まれるタンパク質は人間の体組織の成分として、必要な栄養素とされています。
タンパク質には植物性と動物性があります。
植物の大豆にはもちろん、植物性のタンパク質が含まれています。一方の動物性タンパク質の摂りすぎは、体内のコレステロールの値を上げるおそれがあります。そのため、人間がタンパク質を取るときには植物性のタンパク質がとれる大豆を積極的に摂取すべきなのですね。
大豆の成分
大豆には、タンパク質のほかに、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類、大豆レシチン、オリゴ糖、大豆サポニン、イソフラボンなどが含まれています。
食物繊維
食物繊維は便の量を増やして排便を促す効果があります。
ビタミン類
ビタミン類としては、ビタミンE、ビタミンB群が含まれます。ビタミンB群は、エネルギーや物質の代謝に必要な栄養素です。ビタミンEには抗酸化作用があり、体内の脂質の酸化を防ぐ効果があり、コレステロールの酸化を防ぐ効果から、動脈硬化の予防などの効果があるとされています。
ミネラル類
ミネラル類としては、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、カリウム、鉄分が含まれています。これらのミネラルは、体組織の構成、維持、エネルギーの生成に必要な成分とされています。
大豆レシチン
大豆レシチンの重要な効果としては、コレステロールの値を下げる効果があります。
オリゴ糖
オリゴ糖は、腸内の善玉菌の栄養になり、腸内環境を整える手助けをします。
大豆サポニン
大豆サポニンには抗酸化作用があり、コレステロール値を下げる効果があります。
イソフラボン
イソフラボンは、カルシウムが骨から溶け出すのを防ぐ効果があるので、骨粗しょう症の予防に効果があります。女性ホルモンが減少すると更年期障害が起こりますが、イソフラボンはこの女性ホルモンの分泌を促す効果があり、更年期障害の改善につながります。
以上のように、栄養が豊富な大豆がドッグフードの原材料として使用されているのも納得できそうですが、大豆に含まれるたんぱく質は植物性タンパク質です。
森くん
なぜ大豆はドッグフードに使用されているの?
大豆がドッグフードの原材料として使用されている主な目的は、ドッグフードの嵩ましのためです。実は、大豆の栄養素に期待しての使用ではないのですね。ですが、大豆に含まれる食物繊維の排便促進の効果を期待して使用されることがあります。
大豆入りのドッグフードを犬が食べると体内で水分を含んで膨れますが、犬は植物性タンパク質の消化は苦手ですから、摂取しすぎると体内で膨れすぎて、腸捻転(ちょうねんてい)を引き起こす原因になるとも言われています。大豆入りのドッグフードを少量しか与えていないのに、愛犬のお腹が普段より膨れているようであれば、体内で消化不良を起こしている可能性があります。
腸捻転(ちょうねんてい)とは?
腸捻転とは、「胃拡張」によって引き起こされる症状です。胃拡張とは胃の中にガスが溜まり、胃が拡張(膨張)されることによって引き起こされる症状です。胃が膨張すると、体外に排出されるべき空気や水や食べた物が体内に留まってしまいます。体内に留まった結果、胃への血液の流れが滞り、胃の細胞が死んでいくという症状なのですね。胃が膨らむ過程で体内で動きまわり、結果として腸がねじれることになります。胃拡張ないし腸捻転を起こした犬は、何も吐かないが嘔吐をしようとしたり、口から大量の涎を流したりします。外見からも腹部が膨らんでいることが見て取れるかもしれません。
森くん
まとめ
大豆食品を犬に食べさせること自体には問題はありません。気をつけないといけないのは食べさせる量であって、少量であれば心配することはありません。大豆に豊富な栄養が含まれているのは間違いありません。適量なら問題ありませんが、どのくらいが適量か分からないうちは、大豆入りのドッグフードを与えることには慎重になったほうがよいかもしれません。