「没食子酸プロピル」の「没食子酸」は「もっしょくしさん」「ぼっしょくしさん」と読み、水に溶けにくく、脂に溶けやすいという性質を持っています。ドッグフードには「添加物」として使用されています。
森くん
没食子酸プロピルって?
添加物としてドッグフードに使用されているのは、酸化防止剤としての効果があるからです。
主に、ドッグフードに含まれる脂肪分の酸化を防ぐ目的で使用されています。すなわち、ドッグフードの長期保存が目的です。したがって、酸化防止剤である没食子酸プロピルは犬にとって栄養にはなりません。
なお、ヒト用の食品にも没食子酸プロピルは使用されています。その際も、バターやマーガリンなど、脂肪分が含まれる食品に使用されています。
酸化防止剤について
知っている方も多いと思いますが、酸化防止剤とは、食品の酸化を防止するものです。それ自体が酸化することによって、食品の酸化を防止します。水に溶けやすいもの、脂に溶けやすいものがあり、それぞれ用途に応じて使い分けられています。したがって、脂肪分を含むドッグフードに使用されている酸化防止剤が没食子酸プロピルなのです。
森くん
没食子酸プロピルはどのくらい摂取したら危ない?
犬が大量に摂取した場合には、発がん性が疑われており、腎臓や肝臓を損傷する恐れがあるとされていますが、それは、一般に使用される量をはるかに超えた量を摂取した場合のことです。
一日の摂取量が制限されており、実際の製品では、その量を超えて没食子酸プロピルが使用されることはありません。
森くん
没食子酸プロピルがドッグフードに入っている理由
犬は活動に必要なエネルギーを脂肪から摂取します。犬が生きていくには脂肪が必要なのです。したがって、一般的なドッグフードには脂肪分が多めに配合されています。
そして、酸化防止剤を使用して、脂肪分の酸化を防止するのです。脂肪が酸化すると犬の健康に悪影響を与えてしまいます。そのため、酸化防止剤の没食子酸プロピルを添加しているのです。
森くん
脂肪分が酸化すると危ない理由
ドッグフードに含まれている脂肪分が酸化すると、過酸化脂質に変質します。犬がこの過酸化脂質を摂取すると、動脈硬化やがんの原因となることが指摘されています。ヒトも同様に過酸化脂質を摂取すると健康への悪影響を引き起こしてしまいます。
なお、ドッグフードが異臭をさせている場合は、酸化した可能性が高く、犬へ与えることは控えましょう。
森くん
まとめ
没食子酸プロピルが、通常の使用の範囲で、犬(ヒトも)の健康に悪影響を与えることはほぼ考えられません。それよりも、食品の酸化による悪影響を心配するべきといえます。
没食子酸プロピルが使用されていないドッグフードなどは長期保存がきかず、開封後すぐに消費する必要があります。酸化防止剤が使用されていないドッグフードを犬に与える際には、使い切りサイズのドッグフードを選びましょう。